大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和40(あ)2776 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人海野普吉、同長岡邦の上告趣意第一点は、判例違反をいうが、原判決の是

認する第一審判決が、適法に証拠調のされていない所論Aの各供述調書を犯罪事実

認定の証拠としているとしても、かような違法は、本件のごとく、右証拠調を経な

い証拠を除いてもその余の挙示の証拠により犯罪事実を認定できる場合においては

判決破棄の理由とならないこと、当裁判所の累次の判例(昭和二四年(れ)第一九

四六号同二五年一月一九日第一小法廷判決、刑集四巻一号三〇頁、昭和二六年(あ)

第四六七七号同二七年三月六日第一小法廷判決、刑集六巻三号三六三頁)とすると

ころであつて、所論引用の判例は本件と事案を異にし適切でなく、また所論第二点

は、判例違反をいうが、前記のごとく、本件犯罪事実は所論Aの各供述調書を除外

してもその余の第一審判決挙示の証拠により認定できるのであり、その挙示の証拠

の標目により同判決判文と記録とを対照すれば、どの証拠でどの事実を認めたかが

明白であるから、所論判例違反の主張は前提を欠き、いずれも適法な上告理由に当

らない。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり決定する。

昭和四一年五月二六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 松 田 二 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 岩 田 誠

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